※2021年8月2日に公開した記事ですが、必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2021年9月1日に再度公開しました。
データ分析は、コンテンツマーケティングの意思決定に役立つだけでなく、ターゲット層にアピールし、購買プロセスの中で適切な影響を与えるコンテンツを提供するためにも役立ちます。この記事では、コンバージョン率を高め、新規顧客を獲得するためのコンテンツマーケティング戦略を改善するために、さまざまなタイプのデータをどのように活用できるかをご紹介します。
また海外のSaaS企業では実に89%もの企業でコンテンツマーケティングを行っているにも関わらず効果を実感している企業は極めて少ないという調査結果も出ています。
目次
コンテンツマーケティング戦略にデータを活用する組織が増えている一方で、自社のチームがデータから価値を引き出すための適切なスキルセットを持っていると考えている企業はわずか10%に過ぎません。
データを活用したインサイトを正しく活用するためには、コンテンツチームでコンテンツ戦略に役立つデータ活用方法や解釈の仕方を理解する必要があります。そのためには、データがコンテンツにどのような効果をもたらすかを理解する必要があります。
データはコンテンツチームがコンテンツのパフォーマンスを把握するのに役立ちます。
63%の組織がコンテンツマーケティングの成果を測定するために重要業績評価指標(KPI)を設定していますが、マーケティング担当者の25%は、マーケティングコンテンツの効果を証明することが最重要課題であると認めています。
データ分析し活用することで、コンテンツチームはコンテンツの全体的なパフォーマンスを把握し、最も効果的なタイプのコンテンツをピンポイントで選ぶことができます。
これにより、今後のキャンペーン戦略に役立てることができます。さらに、データを活用することで、最も高い投資収益率(ROI)を生み出すコンテンツキャンペーンを特定することができます。キャンペーンの効果が高くても、コストが高ければ効率的な戦術とは言えません。
現在61%の企業がコンテンツマーケティングのROIを測定していると回答しています。しかし、そのうち44%は、正しく測定できていないと回答しています。データをより正確に把握することで、コンテンツ戦略の費用対効果をより正確に把握することができます。
しかし、データでできることはそれだけではありません。データの種類によっては、どのようにキャンペーンを構築すればユーザーに適切にアピールできるのか?ニーズに応えられるか?など様々な知見を得ることができます。
データを使ってターゲット層を理解し、ユーザーが何に興味を持っているかを知ることで、彼らの好みに合ったより適切なキャンペーンを作成し、コンバージョンを高めることができます。ただし、データを収集するということは、データのプライバシーに関する規制に従うということを忘れてはいけません。しかし、新しいデータプライバシー法に対応する準備ができていると答えた企業は5社に1社もありません。
このような状況に陥らないためにもデータソリューションを今すぐ準備して、ネガティブな影響を心配することなくデータを収集できるようにしましょう。
ユーザー心に響く、より質の高いコンテンツを制作するためにコンテンツ戦略にデータ分析を活用する方法はいくつかあります。
全てをまんべんなく実行できるのがベストですが、社内の人員や予算は限られていますので自社で提供しているサービスと合った方法を取捨選択してください。ここで重要なのは全ての施策をとりあえず実行してみたがすべてが中途半端に終わり効果検証もままならないことです。
ここでは、最も効果的な方法を9つご紹介します。
コンテンツマーケティング担当者の31%が、コンテンツの新しいアイデアを見つけるのに難航していると回答しています。そのような場合は、SNS上でユーザーの声を参考にしてはいかがでしょうか?WEBマーケティング担当者の51%はソーシャルリスニングを利用して業界の主要なトレンドを発見したり、ターゲットの市場が何を議論しているかを把握しています。
ソーシャルリスニングとは、KeyholeやSprout Socialなどのツールを使って、関連するキーワードやブランド用語、業界のトレンドワードなどをモニターし、オーディエンスがこれらのトピックについて議論している内容を特定する手法です。これは、リアルタイムの会話に関連性の高いコンテンツを見つけるための効果的な方法です。
旅行ブランドの「TUI」を例にとってみましょう。TUIはソーシャルリスニングを利用して、ユーザーが何を考え、何を感じているかを理解し、より良いコンテンツをデザインしています。
TUI UK & IrelandのソーシャルコミュニティマネージャーであるNaomi Bressanは、「私たちは常に、人々が私たちのブランドについて何を言っているのかを調べ、主要なテーマや感情を理解して、コンテンツの一部に反映させています」と語っています。
この手法により、わずか6ヶ月で710万件のものコンテンツに対するSNS上での「いいね」やサイト訪問といったエンゲージメントを獲得しました。
最近では低価格で多くのSNSをカバーしているソーシャルリスニングツールも多く出てきていますので、自社に最適なモノを選択しまずはユーザーの声を聴いてみましょう。
WEBマーケティング担当者の75%は、自社のウェブサイトにもっと多くのトラフィックを集めたいと回答しています。80%のコンテンツマーケターはブログ記事を作成していますが、これらのブログ記事が検索エンジンからのトラフィック獲得に効果的にするためには、これらの記事を検索エンジン用に最適化する必要があります。
コンテンツマーケティングの専門家の75%は「検索エンジン最適化(SEO)はより多くのトラフィックを獲得するための最も効果的なコンテンツ戦略である」と考えています。89%のWEBマーケティング担当者は最も効果的なコンテンツ配信チャネルとして自然検索に依存しているため、自然検索からのアクセスを獲得するためには、SEO対策が万全でなければなりません。
これは、イコールGoogleの検索ランキングで上位に入ることを意味します。全クリック数の50%は、検索結果の1位に到達するからです。そのためには、毎月のトラフィックが多く、かつ上位表示が比較的容易な関連性の高い検索キーワードを見つけるのが一番の近道です。キーワードのデータを見ずに戦略も無くブログ記事を書き続けて成果を出すのは極めて難解です。
覚えておいていただきたいのは、90%のキーワードは月間検索数が10回以下であり、これらのキーワードはあまりトラフィックをもたらさないので避けたいということです。逆に0.16%の人気キーワードは全検索数の60%以上を占めています。これらのキーワードは、より多くのトラフィックを獲得できる可能性がありますが、これらのキーワードでGoogleのトップに立つためには、より多くの他のウェブサイトと競争することになります。
キーワードデータを利用すればブログ記事でターゲットとする最適なキーワードを特定することができ、大きなトラフィックを生み出す検索エンジン結果ページ(SERP)の上位に記事を表示させることができます。
UbersuggestやSEMRushなどのキーワードリサーチツールは、このデータを提供するのに役立ちます。
月間検索数が比較的多く(月間100回以上)、SEOの難易度が低いキーワードを探しましょう。これらのキーワードをブログで狙うことで、SEOを高めることができます。これを読んでる多くの方々が今後ブログ記事に使う多くの時間をより効果的なものにするために無視できない方法です。
製品やサービスは複数のタイプの購買者にアピール出来る可能性があります。マーケティング担当者の50%以上が、4つ以上の異なる購買者のペルソナ向けにコンテンツを作成しています
購買者のペルソナがどのように行動するかを理解するために、コンテンツマーケターの88%がGoogle Analyticsなどのウェブサイト解析ツールを利用しています。ウェブサイトのアクセス状況を分析することで、購入者のペルソナが好むコンテンツを理解することができ、最も訪問されたページは将来のコンテンツを生成するためのフレームワークとなります。
また、Google Analyticsを使ってどの商品が最も人気があるのか、どのような行動が最もコンバージョンにつながるのかを調べることもできます。ユーザーの属性を調べることで、ユーザーが以前にサイトを訪れたことがあるかどうか?どこから来ているか?どんなデバイスを使っているか?などを把握することができます。
これらの知識は、コンテンツや有料広告キャンペーンを適切な場所にいる適切なタイプのユーザーに向けて行うために役立ちます。
WhatagraphのGoogle Analytics連携機能
これは最初に、適切なコンテンツを適切なソーシャルメディアプラットフォームに配信しているかどうかを確認する必要があります。業績の良いブランドは、お客様にただオムニチャネル体験を提供しているだけではありません。どのプラットフォームでどのような体験を提供すべきかを把握することも重要です。
問題は、マーケターの25%が、コンテンツを配信するのにどのプラットフォームが最適かを判断するのに苦労していると答えていることです。それだけでなく、コンテンツマーケティング担当者の43%が、ターゲット層に響くコンテンツを生み出すのは難しいと答えています。
各チャネルに適したコンテンツを戦略的に考えるには、ソーシャルアナリティクスのデータを調べ、各プラットフォームで最もエンゲージメントの高いコンテンツを特定します。
例えば、Instagramでは、ストーリーズの中での投票が最もオーディエンスの関心を集めていることに気づくかもしれません。しかし、Facebookではお客様が動画を最も多くシェアしていることがわかるかもしれません。
このデータを利用して、各プラットフォームで発信するコンテンツの種類を再定義しましょう。また、タイミングも考慮する必要があります。ユーザーがコンテンツに興味を持つタイミングを把握し、ユーザーが各プラットフォームを見ているタイミングで投稿することが重要です。例えばFacebookでは、水曜日の午前中から午後にかけて投稿するのがよいでしょう。
また、マ―ケティングオートメーションツールのActiveCampaignを例に挙げてみましょう。
水曜日に公開したこの投稿には、18の「いいね!」、2つのコメント、10のシェアがありました。その数日前の月曜日(4月5日)の投稿には、「いいね!」が5件しかなく、シェアもコメントもありませんでした。
このことから、Facebookへの投稿は月曜よりも水曜の方が良いことがわかります。ただし、これらは世界中のデータに基づいたSNSへの投稿に最適なタイミングであることを忘れないでください。これらを参考にしつつ、自社のソーシャルアナリティクスのデータをもとに、ユーザーが最も反応しやすいタイミングを探ってみましょう。
SNS毎に曜日や時間帯を変えて、どの投稿が一番効果的かを試してみましょう。
2020年にチャットボット等のサービスで最大手のzendeskが発表した情報によると、グローバルに事業展開する5つのブランドのうち1つがカスタマーサービス向上のためにチャットボットを導入しました。
特にチャットボットは、わずか5ヶ月で訪問者の質問の90%以上を学習するため、カスタマーサービスの向上には最適です。これは、チャットボットが繰り返しウェブサイトに訪問する顧客の関心を特定するためのデータ宝庫になるという事です。チャットボットのデータを分析することで、お客様からよく聞かれる質問や、チャットボットがお客様を誘導するコンテンツを知ることができます。
この情報を利用して、顧客が製品やサービスからより多くのことを得られるようにするために、どのようなナーチャリングコンテンツを作成する必要があるのか、より良い戦略を立てることができます。このデータがあれば、顧客の一般的な質問に答えるための記事、ビデオ、インフォグラフィックを作成することができます。
コンテンツマーケティング担当者の45%が、How toコンテンツが最も効果的なコンテンツ戦略であると主張しているにもかかわらず、驚くべきことに、65%のブランドが、お客様の質問に答えるための検索可能なナレッジベースを持っていません。現在、ユーザーをナーチャリングしたり、質問に答えたりするためのコンテンツ戦術を持っていないのであれば、チャットボットをすぐに活用し、業務の効率化だけではなく、ユーザーが何を尋ねているのかを調べるべきです。
79%の営業組織が、コンテンツマーケティングの最優先事項はより多くの質の高いリードを生み出すことであると回答している一方で、51%のWEBマーケティング担当者は質の高いリードを生み出すコンテンツを作るのに苦労していると訴えています。
ここで役立つのが、セールステックツールから得られるデータです。お客様がWebサイトで商品を購入したり申し込んだりする際には、個人情報を入力する必要がありこれは、お客様のことをより詳しく知るチャンスです。
職業や趣味、住んでいる地域などの質問をすることで、どのようなお客様がどのような商品を購入するのかをより深く理解することができます。これにより、適切なターゲット層に適切な製品を宣伝することができます。
また、お客様がどの商品を一緒に購入しているかを調べることもできます。そうすれば、カートに商品を入れるタイミングや、お申込みの前にフォーム内でお勧め商品やアップセルの特典を調整することができます。自社のサービスを使ってくれている顧客の声が、一番市場が求めているデータであるケースは少なくありません。
マーケティング担当者の53%は、コンテンツのより深いパーソナライズを最優先事項としています。これは、63%の消費者が、標準的なサービスの一環としてパーソナライズを期待しているためです。
メールのエンゲージメント率をより深く理解することで、コンテンツマーケティング担当者は、それぞれのセグメントが行動を起こすきっかけとなるメールコンテンツの種類をより詳細に把握することができます。
開封率、クリック率、コンバージョン率などをモニタリングすることで、各セグメントに合わせてコンテンツをパーソナライズする方法を理解し、より積極的な行動を促すことができます。
マーケティングオートメーションツールは年々低単価になり、同時に高機能にもなっています。G2CloudのようなSaaSのreviewサイトを見れば専門性が高くなく、取り組み安い施策であるのかをご理解頂けると思います。
Webサイトのコンテンツは、コンバージョン率に大きな違いをもたらします。何を書くかだけでなく、どのように見せるかも重要です。これは一部の大手ECサイトだけの話ではなく、全てのWEBマーケティング担当者にとって関わりのある話です。
Webサイトのコンテンツでコンバージョンを促進する方法を調べるには、A/Bテストを行うのが最も手っ取り早い方法のひとつです。2つの異なるバージョンのウェブサイトのコンテンツをテストすることで、どちらがより多くのコンバージョンにつながるかを知ることができます。
例えば、Lyytiを例にとってみましょう。このソフトウェア会社は、異なる価格設定のページ例をA/Bテストすることで、コンバージョンを93%以上も向上させました。
最近はGoogleが無料で使えるABテストツールの提供もしていますし、もっと簡単に早くABテストを実行して成果を出したいのであればノーコードでABテストを実行できるサービスも多くあります。
コンテンツ戦略の策定は、特に手探りで進めている場合、圧倒されることがあります。あまりにも多くの方法がWEB上にあふれ、自社の中でもデータが散見されているからです。データ活用するにしてもどこから始めればいいのか?どのルートをたどっていけばいいのか?を悩まれる方は多いと思います。ただ適切な方法を理解していればデータ分析は意思決定に役立ちます。
データ分析は、ターゲットが誰であるかを理解するのに役立つだけでなく、彼らが好むコンテンツや、それに対する反応、ポジティブな行動を引き起こすタイミングなどを把握することができます。
インサイトデータを得るためには最高のデータ分析ツールを使うしかありません。Whatagraphは、マーケティングデータのモニタリングと集計を行うことで、コンテンツによるコンバージョンを促進します。
※本記事は、「How To Use Data Analysis To Improve Your Content Marketing Strategy」を翻訳・加筆修正したものです。